2020/07/23 06:01
歌手とピアニストのためのリートセミナー Online 2020
歌曲伴奏を専門にしているピアニストの加藤哲子(さとこ)です。
現在住んでいるスイスでは、2020年3月17日からロックダウンで学校、お店、レストランなど1ヶ月以上閉鎖制限が下されました。
音楽家はこういう事態で何ができるか。
レッスンをOnlineでやろうと声楽の同僚など、試みていましたが、Onlineでは、同時に音楽ができないのでズレてしまい、生徒を伴奏するなど不可能。
そんな中、考えついたのが、詩の朗読や解読、音楽分析を重点にした講座を届けること。私自身、一方的な動画で学んでいただく教材をつくるのは、疑問に思っていたのと、やっぱり反応をみながら指導したい、という願いからライヴで講座をすることにしました。
一方的にに教えるのでは、伸びないのを自分の留学経験からわかっています。否定して指導するピアノの先生をよくみましたが、全然効果がないと考えます。
そんなことを考慮して、私のこのセミナーでは、自分で考え、自分の意見をもってもらえるよう、質問する。答えてもらったときは、違うなと思っても否定は一切しない。それをこころがけて、このOnlineセミナーをやってみました。
セミナーは5回にわたって、毎週日曜、1時間で行いました。予習できるよう、楽譜や解説書、詩の朗読の録音を予め送ります。解説書は日本のサイトで読めない、手に入らない、ドイツ語の本からやヨーロッパのサイトを元に、独自で作りました。
これで虎の巻!という教材やコースはやりたくなかったので、あえて過程、自分で作品にアプローチしていく方法や掘り下げ方を提示するのが、私の意図でした。
これまで見た日本の生徒さんは、先生にいろいろ言われ、こわごわ弾く生徒さんや、なんにも考えず音だけを弾いている人、質問しても答えが帰ってこない経験をしたので、そこを改善する、違う道を提示するのが、私のヨーロッパでの音楽活動の経験を還元できると思いました。
受講者の方は、すごくリートを真剣にやろうとしていた音楽家(歌手、ピアニスト)ばかりで、質問したら、いい答えや、私にも質問してきてくれたり、朗読を録音して送ってくれたり、かなりいい手応えでした。
そして現在活躍中のピアニストの方々は、質問してくるポイントが鋭かったり、朗読を何回も送ってくれました。素晴らしい取り組みと興味が嬉しくて、ものすごいやりがいがありました!!!
オンラインとはいえども心が通った会話を交換できたりしたのは、このコロナ危機に本当にありがたかった。
(この講座は、教材と共にショップで販売しております。)