2020/11/11 07:27

▼ はじめに、なぜこのアイテムを紹介する理由を教えてください。

ヨーロッパに在住して20年になるピアニスト加藤哲子の最新CD「ゴールドベルク変奏曲」が、この秋に発売されることになりました。加藤哲子は、ユニークなピアニストで、室内楽、歌曲伴奏に長け、現在はスイスで、活躍しているピアニストです。何がユニークかといえば、アイデアの発想で、加藤のコンサート・プログラムは、ドラマが考えられた、お話のストーリーがあるように構成されています。

今回のCDは、音楽と建築のコラボレーションから生まれたプロジェクトの延長線にあるものです。

ちなみにこのプロジェクトは、2020年2月にスイスと日本で大変好評を得たプロジェクトとなりました。



▼ このアイテムのおすすめポイントは何ですか?(使い方の具体例やディテールなど)

ピアニストにとって難関で有名なJ.S.バッハの「ゴールドベルク変奏曲」は、すでに多くのピアニストによって録音された傑作作品です。

このCDは、この有名な作品ゴールドベルク変奏曲を高品質で録音した以外に、プレゼンテーションの仕方が一味違います。そもそもこのゴールドベルク変奏曲から、建築作品を作るという発想で、音楽と建築の融合を測ったプロジェクトが行われました。楽曲の構成があまりにも建築的に一貫して作曲されているので、それをビジュエル化して、音楽と共に表現するというプロジェクトです。

音源は、スイスの革命的な高品質のマイクMyrinx を使って録音し、スイスの音楽技師2人が音質にこだわってつくりあげた、ピュアでダイレクトなサウンド仕上がりです。

音源のこだわりは、もちろんですが、CDジャケットやブックレットでも、グラフィックデザイナーが、建築デザインからオリジナル・アイデアをうけとって、デザインを考え抜き、非常に丁寧に制作されています。



▼ このアイテムをどんな人にどんなふうに使って欲しいか教えてください。

音楽愛好家だけではなく、建築やデザインに興味のある方に、聴いて、見て、インスピレーションをうけっとて楽しんでいただければ幸いです。




▼ 最後に結びの言葉をお願いします。

是枝監督の映画「そして父になる」で、このゴールドベルク変奏曲のアリアがサウンドトラックに使われ、有名になりました。孤独で純粋な美しさを持つアリアは、比類のないもので、あとで30の変奏曲に繰り広がっていきます。この作品の興味深いところは、メロディーが変奏されていくのではなく、低音のハーモニーが30の曲に変奏されていっているところです。そしてユーモアがあるのがこの楽曲の素敵なところです。

音楽を聴きながら、私たちの音楽と建築のコラボレーションを想像していただければ、とても嬉しいです。



試聴 ゴールドベルク変奏曲 https://sarumusic.com