2023/08/30 06:13

夏休みも真っ只中、「マイ・フェア・レィディ」のキャスティングが2日間ありました。来年2024年公演のためのオーディションです。市立劇場での初めてのお仕事は、このオーディションの伴奏です!審査員は、演出家パスカル・ローベック、指揮者ハラルド・ジーゲル、シアターの芸術監督カトリン・グルトナーにオペレッタ協会の役員の方達です。

今回のキャスティングは、やっぱり演目が魅力的、オペラとは違う魅力でしょうか。競争率が高く、かなり充実したものだったので、その模様を書いてみます。🌈

プロの歌手、役者がオーディションに受けに来ます。自由曲と課題曲と、そしてセリフのテストとして、詩を読むかモノローグ(一人芝居)を披露します。☀️ 演出家はドイツ・ライプツィヒからローベック氏が来ていて、ただ審査して聞くだけでなく、手応えのある歌手には、要望を伝えて、セリフの言い方や歌い方が変化できるか、試していました。自分とディアローグを交わしたり、セリフの意図やシチュエーションを伝え、違う言い方ができるかなど、反応をみていたのが、印象的でした。
一緒に仕事ができるかという事でしょう。
主役のエライザ役は、競争率が最も高く、スイス以外に、ドイツからオーストリアからも受けにきていました。歌手もオペラからオペレッタ、ミュージカル、キャバレーいろんな分野のプロがオーディションを受けにきていて、個性豊かなプレゼンテーションでした。
若い歌手は、声のパワーやチャーミングさは、役にあっていて、チャンスがあると思いますが、中堅で、経験の積んだ歌手は、ミュージカルの歌い方をわかっていて、語りのように歌ったり、自由に歌詞のリズムをくずして、歌うなどさすがの歌手もいました。またミュージカル歌手は、クラッシックの歌手とは違い、声の響きは比べると少ないけど、演技が抜群で、聞かせどころ、見所を惹きつけます。
才能とはこういうものかと思わせてもらいました。そしてオーラーがありますね。クラシックは、やっぱり音楽性やテクニックを磨いてきているので、リズムもちゃんとしているし、コントロールもできて、音楽の山を持ってきてくれるので、共演者として、一緒に演奏するには楽しいです。
それに対し、役者の歌うキャバレーソングなどは、セリフが多く、セリフにおもしろいネタの頂点がくるので、その言い回しのときを見逃さないよう伴奏のタイミングを合わせます。基本的にできるだけ、セリフの邪魔にならないよう小さい音で和音伴奏し、ポーカーフェイスを保ちます。セリフのネタになるところは、やっぱりおもしろいので、笑ってしまいますが、リズムは崩れないように保たなくてはいけません!

そんなこんなで、私も短期間で、ミュージカルのヒット曲や、キャバレーなどいろんな曲を知りました。人数が多かったし、知らない曲も多々あったので準備は、結構たいへんでした。蓋をあけると舞台でのぷっつけのプレゼンテーションで、共演できるのは、楽しかったです。
もちろん知らない人と知らない曲で、審査という緊張の場ですが。

ベテラン役者がドイツから来ておられましたが、大変な労力とエネルギーをさいてオーディションに来ている姿を垣間見ました。スポットライトが当たる前のチャンスは、本当に少なくて大変なものですね。
実力や魅力をみせてもらいました。

初めてのチームで指揮者やスタッフと知り合いになりましたが、とても気さくなチームで、私の仕事ぶりを評価して下さり、ほっとしました。良い土台となったスタートでした。🌼